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がん看護は、専門看護師の中でも最も人気が高い分野です。
がんは現在日本人の死亡原因の1位で、約3人に1人の割合でがんで死亡する時代になっています。

医療的な処置だけではなく、患者や家族への配慮など幅広い看護スキルが求められるため、「がん看護」を目指す看護師はたくさんいます。

ここでは、がん看護分野の専門看護師について紹介します。

がん看護分野専門看護師とは

がん看護分野の専門看護師の役割は、がん患者の精神的・肉体的苦痛を理解して、患者やその家族に対してQOL(生活の質)を高い水準にするための看護を提供します。

がん看護分野の専門看護師についての情報をまとめました。

資格保持者

656名(2016年2月1日現在)
毎年約70〜80名前後のペースで増加しています。全分野の専門看護師の合計は1,678人ですので、専門看護師全体の約2.5人に1人が、がん分野になっています。

がん看護分野専門看護師の役割

がん治療は医学の進歩によって、入院治療だけではなく外来や在宅での治療でも対応できるように変化してきました。そのため、がん分野の専門看護師は、入院患者の処置だけではなく、外来や在宅でも活躍できるようになりました。

がんを抱える患者とその家族に対して、普段の生活に配慮しながら、安心してより良い生活をするためのサポートをします。

仕事内容は、がんのための放射線治療などに伴う合併症や、がんの症状を和らげるための説明や、医師や薬剤師に症状を的確に伝えて、患者とその家族のニーズに合った治療ができるように調整を行うことです。

がん看護分野専門看護師の活躍できる職場

がん分野の専門看護師は約65%が、国や都道府県の認可を受けている、がん治療専門病院(通称「がん拠点病院」)で活躍しています。そのほかの専門看護師も、重度のがん患者の受け入れを行っている大規模な病院で勤務している看護師の割合が高いです。

がん分野の専門看護師は病棟専属勤務ではなく、病棟や外来、在宅を必要に応じて回る総合職になる事もあります。ほかにも、がん看護の専門外来など、専門看護師の資格を活かした働き方ができる事が、専門看護師で1番人気の分野になっている要因です。

がん看護分野専門看護師になるには

専門看護師のがん看護の取得方法と、教育内容についてまとめました。
専門看護師の取得基準や費用については、別ページで詳しく紹介しています。
(参考:専門看護師を目指す)

資格取得の条件

専門看護師の資格取得の条件は次の3つです。

  • 看護師免許を所有している事
  • 看護師免許取得後の実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は専門看護分野の実務研修)なお実務研修とは、がん診療拠点病院等において、がん患者が50%を占めている病棟等での勤務経験
  • 看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の単位(36単位もしくは28単位)を取得していること

合格率・難易度

1996〜2014年のがん看護過程の専門看護師受験者数と合格者数は以下の通りです。

  • 専門看護師教育課程修了者数  680名
  • 受験者数           572名(受験率84.1%)
  • 全分野全体の専門看護師教育課程修了から半年以内に認定審査を受験した人数  608名
  • 全分野全体の専門看護師教育課程修了から半年以内の認定審査合格者数     508名(合格率83.6%)

(参考URL:http://nintei.nurse.or.jp/nursing/wp-content/uploads/2015/03/cns_kateisyuryo-jittaihaaku_2015.pdf)

このように、専門看護師は大学院の専門看護師教育過程を受ければ、スムーズに合格できる資格ではありません。全体の半数以上は、教育過程終了後半年以降に認定審査を受けています。

がん看護分野専門看護師の教育機関

2015年度時点の、がん看護分野の専門看護師教育過程の認定を受けている教育機関のデータは次の通りです。

  • 38単位教育機関  28院
  • 26単位教育機関  43院
  • 合計       71院
  • うち、2015年度新設(新規認定)教育機関  9院

がん看護は、専門看護師の中でも人気が高い分野で、全国各地に教育機関があります。今後も新規認定を受ける教育機関が増えて、拡大していく事が予想されます。

そのため、専門看護師教育過程を受ける看護師の多くは、自宅から通学して大学院へ通っています

がん看護分野専門看護師の必要単位

専門看護師の教育過程には、26単位と38単位の2種類があります。専門看護師の教育過程は、資格制定当初は全て26単位でしたが、平成24年より38単位の新基準が制定されました。

どちらの教育過程コースでも、専門看護師の資格取得はできますが、学べる情報の多さや、教育過程修了のための単位数が違います。現在では、26単位から38単位への昇格審査を目指している教育機関が増えています

それぞれの必要単位を紹介します。

26単位の教育過程

●専攻分野共通科目:8単位以上
がん看護専門分野を深めるために基盤となる病態生理、看護理論、看護援助論などを8単位以上履修する。

●専攻分野専門科目:4単位以上
次の特定された広範ながん看護分野の中から、4単位以上(1領域以上)を履修する。

  1. 化学療法看護
  2. 放射線療法看護
  3. 幹細胞移植看護
  4. がんリハビリテーション看護
  5. 疼痛看護
  6. 緩和ケア
  7. ターミナルケア
  8. 予防・早期発見

●実習科目:6単位以上
CNSの役割開発を含む専門分野の実習を6単位以上履修する。

●CNS共通科目:8単位以上
看護教育論、看護管理論、看護理論、看護研究、コンサルテーション論、看護倫理、看護政策論のうち、がん看護専攻分野のCNSとしての役割を考慮して広範囲に8単位以上を選択して履修する。

合計:26単位以上

38単位の教育過程

●専攻分野共通科目:6単位以上
がん看護専門分野を深めるために基盤となる病態生理、看護理論、看護援助論などを8単位以上履修する。

●専攻分野専門科目:8単位以上
次の特定された広範ながん看護分野の中から、4単位以上(1領域以上)を履修する。

  1. がん薬物療法看護
  2. 放射線療法看護
  3. 幹細胞移植看護
  4. がんリハビリテーション看護
  5. 緩和ケア
  6. がん予防・早期発見

●実習科目:10単位以上
専門看護師の役割開発を含む専門分野の実習を10単位以上履修

●CNS共通科目:8単位+6単位(合計14単位)以上
共通科目 A(看護教育論、看護管理論、看護理論、看護研究、コンサルテーション論、看護倫理、看護政策論)のうち、がん看護専攻分野の高度実践看護師としての役割を考慮して広範囲に8単位以上を選択。

高度実践看護師の必修科目として共通科目 B(臨床薬理学、フィジカルアセスメント、病態生理学)6単位以上を選択。計14単位以上を履修すること

合計:38単位以上

かん看護の専門看護師は、職場の支援によって取得する人が多い

がん看護の専門看護師教育過程の受験資格には、がん診療拠点病院等においてがん患者が50%を占めている病棟等での実務経験が必要です。がん診療拠点病院は、大規模の施設がほとんどで、専門看護師の育成にも積極的です

そのため、完全実費負担で専門看護師を目指す方よりも、職場からの指示や支援のもとで勤務先に籍を残したまま、大学院へ進学している看護師が多いです。

資格取得後は、職場が用意したポストで専門看護師としてのスキルを活かせる環境が用意されています。がん看護の分野では、看護師1人1人のスキルアップが求められているため、今後も現在のペースで専門看護師が増え続ける事が想定されます。

まとめ

  • がん看護の専門看護師教育過程を受験するには、がん診療拠点病院等においてがん患者が50%を占めている病棟等で3年以上の実務経験が必要
  • がん看護分野の専門看護師教育過程を認定されている大学院は全国に71院あり、今後も拡大予定
  • がん看護分野の専門看護師は、患者と家族のQOL(生活の質)の向上のサポートも行う
  • 資格取得後は、病棟と外来を回る総合職や、専門外来などの専門看護師のスキルを活かした働き方ができる

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