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集中ケアは、クリティカルケア領域にあたる重症患者などの看護を行います。

看護師に高いスキルを求められる分野で、認定看護師制定時に看護協会の幹部の方から、「集中ケアこそ高い看護スキルを持った看護師が必要だ」という声が挙がっていた分野です。

ここでは、認定看護師の中で「集中ケア」の分野について、特徴や資格データ、教育過程などをまとめました。

集中ケア認定看護師とは

集中ケアとは、重症で集中治療を必要とする患者や家族への看護、生命の危機状態にある患者に対処する看護を行います。僅かな状態の見落としや処置の失敗が許されない、高い看護スキルを必要とする領域の分野です

認定看護師はこうした、集中ケア、クリティカルケアなどの領域において、高い看護実践能力を有し、現場でレベルの高い医療を提供するとともに、ほかの看護師の教育や指導も担当します。

近年では、高度医療や救命医療の発展により集中治療領域が拡大傾向にあり、高いスキルを持った集中ケア認定看護師の需要も高まっています。

資格保持者

1,018名(2016年2月1日現在)
2015年度には1,000人の大台を突破した認定看護師の中でも人気が高い分野です。資格保持者は、東京や大阪をはじめ高度医療を扱っている大規模病院に集中しているため、都心と地方で資格保持者に格差が生じています。

集中ケア認定看護師の役割

集中ケア認定看護師の役割は、生命の危機状態にある患者をレベルの高い看護を実践し、患者の家族に対しても安心してもらえるようなケアやサポートをします。

集中ケアの領域では、フィジカルアセスメントによって病態の変化を予測して重症化の回避に努めるなど、常に患者のリスクを最小化するための的確な判断が求められます。

また、急性期の状態から、すでに回復期へ移行した時の事を見据えて、治療に取り組み、どのような状態であっても、患者とその家族のために光を見出す治療を心がけます。

このように、人命を左右する重要な職場のエキスパートとして、リーダーシップを発揮し、同僚の看護師の指導や悩み相談、モチベーション管理を行います。

集中ケア認定看護師の活躍できる職場

集中ケア認定看護師の主な職場は、集中治療室(ICU)になります。
ほかにも重症患者の受け入れを行っている3次救急の外来や、手術患者を多く受け入れている病棟などでも資格を活かした働き方ができます。

また、集中ケア認定看護師は、他の看護師の役割モデルとされていて、各病棟や提携病院を回って指導や研修などの教育を担当するなど、幅広い領域で活躍できます。

集中ケア認定看護師になるには

認定看護師の集中ケア看護の取得方法と、教育内容についてまとめました。
認定看護師の取得基準や費用については、別ページで紹介しています。
(参考:認定看護師を目指す)

資格取得の条件

認定看護師の資格取得の条件は、看護師免許の所有と、看護師免許取得後の実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)です。

集中ケア分野の認定看護師を取得のための実務経験は、次の3つの条件を満たしている事が望ましいと看護協会が定めています。

  1. 通算3年以上、集中ケア部門、または小児集中ケア部門(手術室・NICU は除く)での看護実績を有すること。
  2. 疾病、外傷、手術などにより高度に侵襲を受けた患者の看護を5例以上担当した実績を有すること。
  3. 現在、集中ケア部門で勤務していることが望ましい。

合格率・難易度

第22回認定看護師認定審査では、集中ケア看護の分野の認定看護師を118名受験し、合格者は107名でした。合格率は90.6%で認定看護師の他の分野と比較すると、低い数字になります。

決して高い難易度ではありませんが、教育過程を受ければ必ず合格できる資格ではないので、油断せずに勉強する事が大切です。

集中ケア認定看護師の教育機関

2015年4月現在の認定看護師の救急看護分野の教育機関は次の通りです。

●日本看護協会看護研修学校(東京都)
開講月:4月/開講期間:12ヶ月/定員:30名

●杏林大学医学部付属病院認定看護師教育課程 (東京都)
開講月:9月/開講期間:7ヶ月/定員:25名

●神奈川県立保健福祉大学実践教育センター(神奈川)
開講月:4月/開講期間:9ヶ月/定員:30名

●西南女学院大学認定看護師教育課程(福岡県)
開講月:5月/開講期間:8ヶ月/定員:30名

集中ケア認定看護師の教育カリキュラム

認定看護師の集中ケア分野のカリキュラムや所要時間は、各教育機関によって異なります。
ここでは日本看護協会看護研修学校の集中ケア看護分野のカリキュラムを紹介します。

●共通科目:150時間
認定看護師に必要な共通の能力を養うための科目。
「看護管理」「リーダーシップ」「文献検索・文献講読」「情報管理」「看護倫理」「指導」「相談」「対人関係」「臨床薬理学」「医療安全管理」の10科目をそれぞれ15時間ずつ履修します。

●専門基礎科目(105時間)
「集中ケア看護概論」「集中ケアにおけるアセスメント概論」の2科目を各30時間。
「集中ケアにおける安全管理」「集中ケアにおけるコミュニケーションとマネジメント」「集中ケアにおける臨床薬理」の3科目をそれぞれ15時間ずつ、合計で5科目105時間を履修します。

●専門科目(165時間)
「病態とケア」を90時間、「集中ケア看護技術」を75時間、合計2科目165時間履修します。
ほかの認定看護師の分野と比較して、特定の分野に履修時間が集中している特徴があります。

●演習(210時間)
「集中ケア演習1(看護過程・事例展開)」「集中ケア演習2(日常生活援助技術)」「集中ケア演習3(早期回復と合併症予防)」「集中ケア演習4(終末期ケア/教育指導プログラムと認定看護師活動評価)」「文献演習」「 ケースレポート」の6つの分野に分けて合計210時間の演習を履修します。

●臨地実習(180時間)
生命の危機状態にある患者および家族に対して学内で学んだ専門的知識と技術を活用し、質の高い看護実践を行うとともに認定看護師の役割や看護師の役割モデルを学ぶことを目標としています。
また、実践した看護を論理的に記述し、心理・社会的ニーズにそった人的・物的資源の提供や環境の調整ができる能力を養います。

●学内ケースレポート発表会(全学科合同)
学科で選出された学生の口演発表や、全員参加のポスターセッションで学んだ成果の発表と共有を行います。

以上合計で810時間の教育カリキュラムを受ける事で、集中ケア看護のスキルを習得し、認定看護師の資格を取得できます。教育機関によっては700時間を切るカリキュラムになっている所もあります。

教育機関の少なさと、大都市への偏りが課題

集中ケアは、認定看護師の中でも資格取得を目指す方が多い人気分野です。
しかし2015年度現在、教育機関は東京に2ヶ所、神奈川、福岡に各1ヶ所の全国4つの機関しか扱っていません。都心に集中していて、関西、近畿、四国、東北、北陸、北海道の方は身近な環境で資格取得する事ができません。

また、教育機関が少ない事で、各教育機関への応募者が多く、認定審査よりも教育機関の限られた定員の中で書類選考を通過する事の方が高いハードルになっています。

まとめ

  • 集中ケアは、生命の危機になる患者とその家族に対しての看護を行う
  • 集中ケア認定看護師は、看護モデルとして他の看護師の見本となり、教育や指導の役割も担う
  • 集中治療室(ICU)や病棟以外にも認定看護師の資格を活かした様々な働き方ができる
  • 集中ケアは人気が高い分野ですが、教育機関が都心と福岡にしかない事が課題になっている

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