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認定看護師の認知症看護分野は2004年に分野が特定され、2006年より認定開始されました。
当初は資格取得者が伸び悩んでいましたが、近年急速に需要が高まり、ここ3年で資格保持者が3倍に増えています。

ここでは、認知症看護認定看護師の特徴、役割、資格データ、取得方法を調べました。

認知症看護認定看護師とは

認知症看護認定看護師は、認知症のプロセスと予後を理解して、患者と家族の抱える問題を解決して総合的なケア、サポート、ライフプランニングを行うスペシャリストです。
認知症患者の状態を総合的にアセスメントし、発症から終末期にいたる各期に適切な看護の実践、体制づくり、家族のサポートができる、看護実践能力を習得し、QOL(生活の質)の向上と予防緩和対策を講じます。

日本は、高齢化の進行に伴い、65歳以上の高齢者の約15%が認知症で、さらに25%が予備軍に入っています。
増加する認知症患者に対して、現場の看護、介護職員の数は伸び悩んでいます。こうした背景を受けて、高いリーダーシップを発揮できる認定看護師に認知症看護分野を特定しました。

資格保持者

651名(2016年2月1日現在)
認定看護師のほかの分野と比較すると、資格保持者は少ないですが、冒頭でも紹介している通り近年資格取得者が増加しています。
認知症看護のニーズの高まりや、資格取得支援に積極的な施設が増えた事から、今後人気分野へ成長していく事が期待できます。

認知症看護認定看護師の役割

認知症患者は、自分の意思を常に第三者に正しく伝えられません。認知症看護認定看護師は、認知症の特性と患者の性格を理解して、患者の代弁者として生命、ライフクオリティー、尊厳を守る役割を担います。
認知症は一度発症すると回復する見込みが少なく、残りの生涯を認知症と付き合って生きていく覚悟が必要です。認知症患者の家族に対しても、認知症の専門家として知識や技術を活かしてサポートしていきます。
また、現場で認知症の看護や介護に悩むスタッフの相談、指導を行い、他の職種のスタッフとも連携して認知症にかかわるケアサービス推進のリーダーシップを取る事が求められます。

認知症看護認定看護師の活躍できる職場

認知症看護認定看護師は、全体の約8割が総合病院、約1割が介護施設で働いています。在宅や療養型老人ホームなど、認知症患者と関わる職場であれば、資格を活かしてリーダーシップを発揮できます。
ただし、認定看護師の資格取得支援をしているのが、地域の拠点になる大規模病院が中心のため、認知症看護認定看護師の活躍している職場は病院に集中しています。
認知症看護に力を入れている病院では、5名以上の認知症看護認定看護師を配備している所もあります。

認知症看護認定看護師になるには

認定看護師の認知看護分野の取得方法と、教育内容についてまとめました。
認定看護師の取得基準や費用については、別ページで紹介しています。
(参考:認定看護師を目指す)

資格取得の条件

認定看護師の資格取得の条件は、看護師免許の所有と、看護師免許取得後の実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)です。
認知症看護分野の認定看護師を取得のための実務経験は、次の3つの要件を満たしている事が望ましいと看護協会で定められています。

  1. 通算3年以上、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等での看護実績を有すること
  2. 認知症者の看護を5例以上担当した実績を有すること
  3. 現在、認知症者の多い医療・福祉施設(在宅ケア領域を含む)等で認知症者の看護実践に携わっていること

合格率・難易度

第22回認定看護師認定審査では、小児救急看護分野の認定看護師を138名受験し、合格者は137名でした。100名を大きく超える受験者がいた中で、不合格者は1名のみと高い合格率を誇っています。
決して簡単に取れる資格ではありませんが、教育カリキュラムを真剣に受講すれば取得できる難易度です。

認知症救急看護認定看護師の教育機関

2015年11月現在の認定看護師の小児救急看護分野の教育機関は次の通りです。

●北海道医療大学認定看護師研修センター (北海道)
開講月:5月/開講期間:8ヶ月/定員:20名

●日本赤十字秋田看護大学教育研究開発センター (秋田県)
開講月:8月/開講期間:6ヶ月/定員:20名

●高崎健康福祉大学看護実践開発センター認定看護師教育課程 (群馬県)
開講月:6月(2016年度新規開講予定)/開講期間:7ヶ月/定員:30名

●地域医療機能推進機構本部研修センター認定看護師教育課程 (千葉県)
2015年度休講

●日本看護協会看護研修学校 (東京都)
開講月:4月/開講期間:12ヶ月/定員:30名

●日本赤十字看護大学看護実践・教育・研究フロンティアセンター(東京都)
2015年度休講

●聖路加国際大学教育センター(東京都)
開講月:6月/開講期間:9ヶ月/定員:30名

●山梨県立大学看護実践開発研究センター (山梨県)
開講月:6月/開講期間:7ヶ月/定員:30名

●長野県看護大学看護実践国際研究センター(長野県)
開講月:6月/開講期間:8ヶ月/定員:20名

●兵庫県看護協会認定看護師教育課程(兵庫県)
開講月:7月/開講期間:7ヶ月/定員:30名

認知症看護認定看護師の教育カリキュラム

認定看護師の認知症看護分野のカリキュラムや所要時間は、各教育機関によって違います。
ここでは日本看護協会神戸研修センターの教育科目を紹介します。

●共通科目:150時間
認定看護師に必要な共通の能力を養うための科目、「看護管理」「リーダーシップ」「文献検索・文献講読」「情報管理」「看護倫理」「指導」「相談」「対人関係」「臨床薬理学」「医療安全管理」の10科目をそれぞれ15時間ずつ履修します。

●専門基礎科目(90時間)
「認知症病態論」を45時間、「認知症看護原論」「認知症基礎病態論」「認知症に関わる保健・医療・福祉制度 」を各15時間、合計4科目90時間を履修します。

●専門科目(150時間)
「認知症看護援助方法論(1)アセスメントとケア」を45時間、「認知症看護援助方法論(2)生活・療養環境づくり」「認知症看護援助方法論(3)ケアマネジメント」を各30時間、「認知症看護倫理」「認知症者とのコミュニケーション」「認知症者の家族への支援、家族関係調整」を各15時間、合計6科目150時間を履修します。

●演習(195時間)
認知症者の事例についてアセスメントし、多職種との連携・協働を含めた看護計画を立案します。

●実習(225時間)
認知症者への深い理解と認知症看護認定看護師としての専門的実践能力、認知症者と家族に対して、倫理的・心理的・社会的配慮ができる能力を養います。また、認知症ケアの実践において、多職種との連携・協働、資源の活用について学びます。認定看護師の始動・相談の役割を理解し、看護職を対象にした研修会の企画・実施・評価を行い、相談対応の一部実践・評価をします。

●学内ケースレポート発表会(全学科合同)
学科で選出された学生の口演発表や、全員参加のポスターセッションで学んだ成果の発表と共有を行います。

以上の合計で810時間の教育カリキュラを受ける事で、看護のスキルを習得し、認知症看護認定看護師認定審査の受験資格を取得できます。
教育機関によっては700時間を切るカリキュラムになっている所もあります。

認知症看護は奥が深い

認知症看護は難しい事が多く、新人の看護職員や介護職員からは次のような意見が出ます。
「正しく考えて自己主張できない患者(利用者)が相手だから、やりがいを感じない」
「何をやっても、認知症のせいだから。と片付けてしまう」

このように、認知症はその特性から「認知症だから仕方がない」と片付けられてしまう事が多いです。しかし、認知症看護を勉強していくと、認知症患者の行動には全て理由がある事に気付きます。たとえば認知症患者が怒る事には理由があり、正しくコミュニケーションを取れば怒らなくなります。

認知症看護認定看護師は、認知症に関する専門知識を習得して、認知症看護の仕事のやりがいを理解できるメリットがあります。

まとめ

  • 認知症看護認定看護師は、ここ3年で資格保持者が約3倍に増加した
  • 高齢化社会に伴い、認知症者と予備軍が増加している事から、認知症看護認定看護師のニーズはこの先も高まっていく
  • 認知症看護認定看護師は、認知症者と接する幅広い職種で活躍できますが、資格取得のハードルが高いため、大半は総合病院勤務者が資格取得している
  • 認知症看護は、奥が深く、スキルを習得すれば仕事のやりがいが増大する

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