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認定看護師全21分野の中で、3番目に人気が高いのが「緩和ケア」です。
緩和ケア認定看護師の特徴や、注目されている理由、資格取得を目指す方法や教育カリキュラムを紹介します。

緩和ケア認定看護師とは

緩和ケアでは、生命を脅かす疾患を持つ患者とその家族に対して、QOLを改善するためにアプローチします。

代表的な疾患では「がん」が挙げられます。重い病を抱える患者やその家族一人一人に対して、身体や心などのつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアを行います。

緩和ケア認定看護師は、その道のプロフェッショナルとして、豊富な知識と高いコミュニケーション能力で患者と家族を支援し、ほかの看護師の教育と指導を行います。

資格保持者

1,832名(2016年2月1日現在)
認定看護師の中でも人気が高い分野で、資格保持者の地域格差も少なく、全国各地に満遍なく資格保持者がいます。
近年では、医学的治療だけではなく、患者と家族の精神的負担軽減が重要視されるようになり、今後も緩和ケア認定看護師の資格保持者が増加していく事が予想されています。

緩和ケア認定看護師の役割

緩和ケア認定看護師の役割は、患者とご家族の方が抱えている様々な苦しみに対して、あらゆる方法を用いてその悩みや苦痛を緩和する手伝いをする事です。
医療知識だけではなく、高いコミュニケーション能力も求められます。

また、認定看護師は同僚看護師の指導・相談も行います。重い病と闘病する患者と接する看護師は、仕事に対して悩みを抱えている事も多く、認定看護師は指導者の立場としても同僚スタッフを支え、一緒にそれぞれの患者への対処法を考えます。

例え同じ症状でも、患者やその家族によって、病気の受け止め方や治療に対する価値観はさまざまです。
緩和ケア認定看護師は、患者や家族の話をよく聞いて、意見や希望を尊重しながら最善の治療法を提案し、不安を和らげるためのケアを行います。

緩和ケア認定看護師の活躍できる職場

緩和ケア認定看護師は、多くの方が総合病院の病棟、もしくは師長や部長などの管理職として勤務してます。
特に、病床数が多い病院や、高度医療やがん治療を得意としている大規模病院に資格保持者が多いです。

ほかにも、救急救命センターで事故や急病の患者やその家族をケアする働き方や、病棟ナースではなく、緩和ケア科や緩和ケアチームなど専門の部署で能力を発揮する働き方もあります。

緩和ケア認定看護師になるには

認定看護師の緩和ケア看護の取得方法と、教育内容についてまとめました。
認定看護師の取得基準や費用については、別ページで紹介しています。
(参考:認定看護師を目指す)

資格取得の条件

認定看護師の資格取得の条件は、看護師免許を所有と、看護師免許取得後の実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)です。

緩和ケア分野の認定看護師を取得のための実務経験は、次の3つの条件を満たしている事が望ましいと看護協会が定めています。

  1. 通算3年以上、緩和ケアを受ける患者の多い病棟、または在宅ケア領域での看護実績を有すること。
  2. 緩和ケアを受ける患者を5例以上担当した実績を有すること。
  3. 現在、緩和ケアを受ける患者の多い病院、または在宅ケア領域で勤務していることが望ましい。

合格率・難易度

第22回認定看護師認定審査では、緩和ケア看護の分野の認定看護師を202名受験し、合格者は179名でした。合格率は88.6%です。認定看護師全体の合格率は約93%なので、認定看護師の全21分野の中では難易度が高いです。

資格取得だけを目的にするのではなく、緩和ケアについて真剣に向き合って勉強する姿勢が必要な資格です。

緩和ケア認定看護師の教育機関

2015年4月現在の認定看護師の緩和ケア分野の教育機関は次の通りです。

●北海道医療大学認定看護師研修センター(北海道)
2015年度休講

●岩手医科大学附属病院高度看護研修センター(岩手県)
開講月:6月/開講期間:8ヶ月/定員:20名

●埼玉県立大学 地域産学連携センター(埼玉県)
開講月:8月/開講期間:8ヶ月/定員:30名

●国立がん研究センター東病院認定看護師課程 (千葉県)
開講月:7月/開講期間:9ヶ月/定員:20名

●神奈川県看護協会 認定看護師教育課程(神奈川県)
開講月:4月/開講期間:12ヶ月/定員:30名

●山梨県立大学看護実践開発研究センター(山梨県)
開講月:6月/開講期間:7ヶ月/定員:20名

●公益社団法人富山県看護協会富山県認定看護師教育センター(富山県)
開講月:10月/開講期間:6ヶ月/定員:25名

●静岡県立静岡がんセンター認定看護師教育課程 (静岡県)
開講月:8月/開講期間:8ヶ月/定員:20名

●日本看護協会神戸研修センター(兵庫県)
開講月:9月/開講期間:7ヶ月/定員:30名

●島根県立大学しまね看護交流センター(島根県)
開講月:6月(2016年度新規開講予定)/開講期間:7ヶ月/定員:10名

●久留米大学認定看護師教育センター(福岡県)
開講月:6月/開講期間:6ヶ月/定員:30名

緩和ケア認定看護師の教育カリキュラム

認定看護師の緩和ケア分野のカリキュラムや所要時間は、各教育機関によって違います。
ここでは日本看護協会神戸研修センターの緩和ケア看護分野のカリキュラムを紹介します。

●共通科目:120時間
認定看護師に必要な共通の能力を養うための科目。
「看護管理」「リーダーシップ」「文献検索・文献講読」「情報管理」「看護倫理」「指導」「相談」「臨床薬理学」の8科目をそれぞれ15時間ずつ履修します。

●専門基礎科目(75時間)
「緩和ケア総論」「がんとがんの集学的治療」「症状マネジメント総論」「喪失・悲嘆・死別」「がんの医療サービスと社会資源」の5科目をそれぞれ15時間ずつ履修します。

●専門科目(195時間)
「症状マネジメントと援助技術I」を1〜7の項目に分けて各15時間、「緩和ケアを受ける患者の心理社会的ニーズとケア」「スピリチュアルケア」「緩和ケアにおけるチームアプローチ」「緩和ケアを受ける患者の家族・遺族ケア」「臨死期のケア」「緩和ケアにおける倫理的課題」を各15時間、合計13科目195時間履修します。

●学内演習(60時間)
総合演習を1と2の分野に分けて各30時間、合計60時間の学内演習を履修します。

●臨地実習(180時間)
それまで学んできた緩和ケアの能力を活かせるように180時間の臨地演習を通じて認定看護師に必要な能力を養います。

以上の合計で630時間の教育カリキュラムを受ける事で、緩和ケア看護のスキルを習得し、認定看護師認定審査の受験資格を取得できます。

緩和ケアは、教育機関が充実していて、手軽に目指しやすい資格

緩和ケアは2016年度は全国で11の教育機関があります。認定看護師の中でも、教育機関の数が充実していて、地方の方でも手軽に目指しやすい分野の資格です。

千葉と神奈川では週2回からの受講コースも用意されてます。
緩和ケアへの取り組みを強化している病院は全国各地に拡大していて、こうした環境の影響もあり資格取得者が順調に増加しています。

まとめ

  • 緩和ケアは、患者の身体と心の様々な苦痛を緩和する
  • 緩和ケアは、主にがん患者を扱うことが多い
  • 緩和ケア認定看護師は、高い経験と知識、コミュニケーション能力、リーダーシップが求められる
  • 緩和ケア分野の認定看護師教育過程を用意している機関は全国に11ヶ所ある

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